建築ニュース

建設業法令遵守ガイドライン改訂

「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」の改訂が発表されました。

国土交通省プレスリリース(平成29年3月29日)

当該ガイドラインは、「建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルール」として平成19年6月に策定されたものです。
前回、平成26年改訂では、労災防止対策とその経費負担等について大幅な項目の追加がありましたが、
今回は、下請代金の支払手段について項目が追加されています。→ 概要

興味深いことろでは、同時に、以前からある他の項目についての
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】【建設業法上違反となる行為事例】
も追加されました。

以下に、追加された分をご紹介します。弁護士目線では、どれも、どこかでお聞きしたような話だと思いましたが、いかがでしょうか。
これを機会に、ガイドラインに掲載された他の事例も、改めて確認してみてください。

  • 元請負人が、「出来るだけ早く」等曖昧な見積期間を設定したり、見積期間を設定せずに、下請負人に見積りを行わせた場合
  • 下請工事に関し、基本契約書を取り交わさない、あるいは契約約款を添付せずに、注文書と請書のみ(又はいずれか一方のみ)で契約を締結した場合
  • 納期が数ヶ月先の契約を締結し、既に契約金額が確定しているにもかかわらず、実際の納入時期における資材価格の下落を踏まえ、下請負人と変更契約を締結することなく、元請負人の一方的な都合により、取り決めた代金を減額した場合
  • 元請負人が下請負人に工事数量の追加を指示したことにより、下請負人が行う工事の工期に不足が生じているにもかかわらず、工期の延長について元請負人が下請負人からの協議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合
  • 元請負人が、下請負人と合意することなく、端数処理と称して、一方的に減額して下請契約を締結した場合
  • 下請負人の見積書に法定福利費が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費を一方的に削除したり、実質的に法定福利費を賄うことができない金額で下請契約を締結した場合
  • 下請負人に対して、発注者提出用に法定福利費を適正に見積もった見積書を作成させ、実際には法定福利費等を削除した見積書に基づき契約を締結した場合
  • 元請負人が下請負人に対して、契約単価を一方的に提示し、下請負人と合意することなく、これにより積算した額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人の都合により、元請負人が発注者と締結した工期をそのまま下請負人との契約工期にも適用させ、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請負人に負担させた場合
  • 元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わない場合

開発許可制度:古民家、空家に関する運用弾力化

市街化調整区域において古民家、空家等を用途変更して有効活用する際、開発許可が容易に得られるよう、開発許可制度運用指針が一部改正されました。

国土交通省プレスリリース(平成28年12月27日)

もともと開発許可制度は、昭和30~40年代の高度経済成長期において、無秩序な市街地化の防止という目的がありましたが、現在はむしろ、既存の集落や空家への対応の足かせになっている実態があるものと思われます。

弾力的に運用すべき例としては、
・観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供の用に供する施設
・既存集落の維持(移住・定住の促進)のために必要な賃貸住宅等
が挙げられています。

建設業法・監理技術者制度運用マニュアルの改正

昨年末、平成28年12月19日に、「監理技術者制度運用マニュアル」が改正されました。

国土交通省プレスリリース

一昨年10月の杭問題に端を発し、実質的に施工携わらない中間請負の存在と施工管理の形骸化が問題となり、そうした者の施工体制から の排除を目的として、昨年10月14日に「一括下請負の禁止」の新たな判断基準(建設工事 における一括下請負の判断基準の明確化)が通知として示されていました。

本改正は、これらの内容を、監理技術者制度にも反映させたものとなっています。

 

<改正の概要>(国土交通省HPより)

○ 元請の監理技術者等と下請の主任技術者の職務の明確化
○ 大規模工事における監理技術者の補佐的な役割を担う技術者の配置の推奨
○ 工場製品における適宜合理的な方法での品質管理の必要を明記
○ 監理技術者等の専任が不要となった期間における他の専任工事への従事に関する緩和
○ これまでの法令改正、発出済みの通知等に伴う見直し