建築ニュース

改正建築基準法、令和元年6月25日より施行

昨年(平成30年)6月20日に成立した改正建築基準法の施行日が、令和元年6月25日に決定しました。

なお、一部については、既に昨年9月25日に施行されています

改正の概要を、国土交通省のHPより引用します。

・密集市街地等の整備改善に向けた規制の合理化 

 防火地域や準防火地域における延焼防止性能の高い建築物について、建蔽率を10%緩和するとともに、技術的基準を新たに整備する。

・既存建築物の維持保全による安全性確保に係る見直し

 既存不適格建築物に係る指導・助言の仕組みを導入する。また、維持保全計画の作成が必要となる建築物等の範囲を拡大する。  

・戸建住宅等を他用途に転用する場合の規制の合理化

 耐火建築物等としなければならない3階建の商業施設、宿泊施設、福祉施設等について、200㎡未満の場合は、必要な措置を講じることで耐火建築物等とすることを不要とする。
 また、200㎡以下の建築物の他用途への転用は、建築確認手続きを不要とする。

・建築物の用途転用の円滑化に資する制度の創設

 既存建築物について二以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合の全体計画認定制度を導入する。また、建築物を一時的に他の用途に転用する場合に一部の規定を緩和する制度を導入する。

・木材利用の推進に向けた規制の合理化

 耐火構造等としなくてよい木造建築物の範囲を拡大するとともに、中層建築物において必要な措置を講じることで性能の高い準耐火構造とすることを可能とする。
 また、防火・準防火地域内の2m超の門・塀について一定の範囲で木材も利用可能とする。

・用途制限に係る特例許可手続の簡素化

 用途制限に係る特例許可の実績の蓄積がある建築物について、用途制限に係る特例許可の手続において建築審査会の同意を不要とする。

※「必要な措置」「一部の規定」等は、関係政令の整備等に関する政令に規定されます。   

改正建設業法が成立(令和元年6月5日)

平成31年3月15日の建築ニュースでお伝えした改正建設業法は、令和元年6月5日、国会で成立しました。

施行は、令和2年末までを予定しています。

****以下、閣議決定時の建築ニュース****

国土交通省は、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」の閣議決定を発表しました。
国土交通省プレスリリース(平成31年3月15日)
国会の審議・議決を経て、さらに公布の日から1年半以内の施行ですので、少し先の話となります。

技術者配置・経営業務管理責任者の緩和がある一方で、適正発注に関する項目は厳格化されています。
注文者の情報提供義務を定めているのは、非常に興味深いです。

建設業法の改正内容のうち、個人的に重要と考える事項を列挙します。
(法律案要綱から抜粋)

一 許可基準の見直し
建設業の許可基準のうち、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者を置くこととする基準を、建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合することに改めるものとすること。(第7条関係)

三 請負契約における書面の記載事項の追加
建設工事の請負契約における書面の記載事項に、工事を施工しない日又は時間帯の定めに関する事項等を追加するものとすること。(第19条関係)

四 著しく短い工期の禁止
1 注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならないものとすること。(第19条の5関係)
2 国土交通大臣等は、発注者が1に違反した場合において特に必要があると認めるときは、当該発注者に対して勧告することができるものとし、その者が当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができるものとすること。(第19条の6関係)

五 工期等に影響を及ぼす事象に関する情報の提供
注文者は、契約を締結するまでに、建設業者に対して、その発生のおそれがあると認めるときは、工期又は請負代金の額に影響を及ぼす事象に関する情報を提供しなければならないものとすること。(第20条の2関係)

六 下請代金の支払方法
元請負人は、下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならないものとすること。(第24条の3関係)

七 不利益な取扱いの禁止
元請負人は、その違反行為について下請負人が国土交通大臣等に通報したことを理由として、当該下請負人に対して、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならないものとすること。(第24条の5関係)

九 監理技術者の専任義務の緩和
工事現場に監理技術者を専任で置くべき建設工事について、当該監理技術者の職務を補佐する者としてこれに準ずる者を専任で置く場合には、当該監理技術者の専任を要しないものとすること。(第26条関係)

十 主任技術者の配置義務の合理化
特定の専門工事につき、元請負人が工事現場に専任で置く主任技術者が、下請負人が置くべき主任技術者の職務を併せて行うことができることとし、この場合において、当該下請負人は、主任技術者の配置を要しないものとすること。(第26条の3関係)

改正建築基準法の一部施行(9月25日)と施行令

平成30年6月27日に公布された建築基準法の一部を改正する法律の施行に関し、
下記の一部について9月25日から施行されること、また、改正法に合わせた施行令の内容が決定されました。

改正 建築基準法施行令(新旧対照表)

先行して施行される改正
・木造建築物等である特殊建築物の外壁等に関する規制の廃止 
・接道規制の適用除外に係る手続の合理化 
・接道規制を条例で付加できる建築物の対象の拡大 
・容積率規制の合理化(老人ホーム等の共用の廊下等)
・日影規制の適用除外に係る手続の合理化 
・仮設興行場等の仮設建築物の設置期間の特例 

詳しくは、国土交通省のプレスリリース

改正建築基準法が成立(平成30年6月20日)

国会で改正建築基準法が成立しました。

本改正は、昨年末からのパブリックコメント、
本年2月の社会資本整備審議会建築分科会・建築基準制度部会からの第三次答申を受けたもので、

・建築物・市街地の安全性の確保
・既存建築ストックの活用
・木造建築物の整備の推進

を柱とするものです。
詳しくは、国土交通省HP 閣議決定のプレスリリースをご覧ください。

民泊新法成立(標準管理規約に関する追記あり)

6月9日、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が成立しました。

観光庁・閣議決定時の法案資料

住宅を活用した宿泊サービスであるという点

「この枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル・旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度として整備するものである」という点が、非常に重要だと思います。

従来、民泊は、旅館業法の簡易宿所営業として位置づけられ、その許可要件を緩和するという取り組みがなされてきました(厚労省)。

しかし、この場合、建築基準法(国交省)、消防法(総務省)等の他の法令については、用途が「旅館・ホテル」となり、原則として、特定建築物、特定防火対象物としての扱いを免れることはできません。
(消防については、住宅の中で民泊使用部分が占める面積の割合に応じて、民泊=旅館・ホテルという取り扱いを行っています。)

その結果、実態として安全上の問題があるかどうかは別として、違法な民泊がこれほどまでに大量に出現し、一方、コンプライアンスを大切にする企業はビジネスチャンスと逃すという、非常に不公平な(悔しい)状態が生じていました。

新法の要件に該当するものは、建築基準関係法令においても「住宅」となるため、規制の対象外におかれるものと思われます。
(但し、風営法に基づく営業停止処分の対象には、旅館と同様に民泊も加えられるようです。)

新法の施行は、予定では、来年1月とのことです。

一定の枠組みの中で合法化されたことで、優れたプレーヤーが正々堂々と多数参入し、健全な競争原理の下で全体が発展することを、強く期待したいと思います。

6月19日追記

住宅宿泊事業法の成立を踏まえた「マンション標準管理規約」の改正(案)について、パブリ ックコメント(意見公募)が開始されています。

管理組合として、民泊を認める場合、禁止する場合それぞれのケースについて、標準管理規約(案)が提示されていますので、ご参考まで。 

国土交通省パブリックコメント告知

新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表

国土交通省及び(一財)日本建築防災協会より、平成12年改正以前に建築された木造住宅に関する「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」が発表されました。

日本建築防災協会(建防協)

木造建築物の建築基準法の規定は、阪神淡路大震災の経験を踏まえた平成12年大改正にて、仕様規定が明確化され、壁の配置や接合部を金物で補強することなどの改正が行われています。
先の平成28年4月の熊本地震においても、建築時期が改正の前か後かで倒壊などの被害の違いが認められたとの報告がなされています。

そのため、国土交通省が、新耐震基準の在来軸組構法、かつ、平成12年以前のものについて、
リフォーム等の機会に改正後の仕様に照らして接合部等の状況を確認することを推奨することとし(効率的な耐震性の把握と耐震化が期待できます)、
建防協に対し、効率的な確認方法の検討を依頼したという経緯だそうです。

国土交通省ホームページにも、紹介されています。→概要版

 

民法(債権法)改正(追記:平成29年6月2日、12月15日)

民法改正案が、平成29年6月2日に交付されました。
2020年4月1日の施行が予定されています。
建築・不動産分野に関連が深い改正の内容については、追ってコラムでご案内する予定です。

改正の目的

今回の改正は、社会の変化に対応し(制定された明治時代のままだった)、国民にわかりやすいものとすることを目的とするものです。

(参考)法務省・法案提出の理由
「社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

改正の概要

改正の多くの部分は、現在までに蓄積された判例の規範や一般的理解を踏襲したものであり、劇的な変更は考え難いといわれています。 

しかし、定型約款や有価証券など新たな項目の追加もあります。
また、消滅時効や法定利率は、内容自体が変わります。

かつ、条文自体の変更は、非常に多岐にわたります(併せて、関連法令の改正も行われます)。

例えば、建築・建設業界の注目点としては、お馴染みの「瑕疵」の文言が消えて「契約の内容に適合しない」に置き換えられれ、さらに、請負の一部条文が削除されて売買に一本化されるなどしています。

つまり、取引のルール自体が大きく変わらないとしても、ルールを表現している言葉や条文の構成は変わる、ということです。
そのため、契約を中心とした日常業務に影響が生じることは、避けられません。

改正民法(法務省HP)新旧対照条文
※法案の一部修正によりリンクが切れていたため、修正しました。

改正法施行の時期と経過措置

十分な準備が必要となることから、公布日から施行まで3年(最大)の猶予が設けられています。
施行日は「一部の規定を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」ですが、平成29年12月15日の閣議決定では、2020年4月1日施行が予定されています。

改正法の解釈についてはまだ議論が定まっていない部分もあり、特に請負や委任(設計)に関しては議論が十分ではないように思いますので、今後も注視していきたいと思います。

なお、施行日までに締結した契約については、原則、現行法が適用されます。

建設業法令遵守ガイドライン改訂

「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」の改訂が発表されました。

国土交通省プレスリリース(平成29年3月29日)

当該ガイドラインは、「建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルール」として平成19年6月に策定されたものです。
前回、平成26年改訂では、労災防止対策とその経費負担等について大幅な項目の追加がありましたが、
今回は、下請代金の支払手段について項目が追加されています。→ 概要

興味深いことろでは、同時に、以前からある他の項目についての
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】【建設業法上違反となる行為事例】
も追加されました。

以下に、追加された分をご紹介します。弁護士目線では、どれも、どこかでお聞きしたような話だと思いましたが、いかがでしょうか。
これを機会に、ガイドラインに掲載された他の事例も、改めて確認してみてください。

  • 元請負人が、「出来るだけ早く」等曖昧な見積期間を設定したり、見積期間を設定せずに、下請負人に見積りを行わせた場合
  • 下請工事に関し、基本契約書を取り交わさない、あるいは契約約款を添付せずに、注文書と請書のみ(又はいずれか一方のみ)で契約を締結した場合
  • 納期が数ヶ月先の契約を締結し、既に契約金額が確定しているにもかかわらず、実際の納入時期における資材価格の下落を踏まえ、下請負人と変更契約を締結することなく、元請負人の一方的な都合により、取り決めた代金を減額した場合
  • 元請負人が下請負人に工事数量の追加を指示したことにより、下請負人が行う工事の工期に不足が生じているにもかかわらず、工期の延長について元請負人が下請負人からの協議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合
  • 元請負人が、下請負人と合意することなく、端数処理と称して、一方的に減額して下請契約を締結した場合
  • 下請負人の見積書に法定福利費が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費を一方的に削除したり、実質的に法定福利費を賄うことができない金額で下請契約を締結した場合
  • 下請負人に対して、発注者提出用に法定福利費を適正に見積もった見積書を作成させ、実際には法定福利費等を削除した見積書に基づき契約を締結した場合
  • 元請負人が下請負人に対して、契約単価を一方的に提示し、下請負人と合意することなく、これにより積算した額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人の都合により、元請負人が発注者と締結した工期をそのまま下請負人との契約工期にも適用させ、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請負人に負担させた場合
  • 元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わない場合

開発許可制度:古民家、空家に関する運用弾力化

市街化調整区域において古民家、空家等を用途変更して有効活用する際、開発許可が容易に得られるよう、開発許可制度運用指針が一部改正されました。

国土交通省プレスリリース(平成28年12月27日)

もともと開発許可制度は、昭和30~40年代の高度経済成長期において、無秩序な市街地化の防止という目的がありましたが、現在はむしろ、既存の集落や空家への対応の足かせになっている実態があるものと思われます。

弾力的に運用すべき例としては、
・観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供の用に供する施設
・既存集落の維持(移住・定住の促進)のために必要な賃貸住宅等
が挙げられています。

建設業法・監理技術者制度運用マニュアルの改正

昨年末、平成28年12月19日に、「監理技術者制度運用マニュアル」が改正されました。

国土交通省プレスリリース

一昨年10月の杭問題に端を発し、実質的に施工携わらない中間請負の存在と施工管理の形骸化が問題となり、そうした者の施工体制から の排除を目的として、昨年10月14日に「一括下請負の禁止」の新たな判断基準(建設工事 における一括下請負の判断基準の明確化)が通知として示されていました。

本改正は、これらの内容を、監理技術者制度にも反映させたものとなっています。

 

<改正の概要>(国土交通省HPより)

○ 元請の監理技術者等と下請の主任技術者の職務の明確化
○ 大規模工事における監理技術者の補佐的な役割を担う技術者の配置の推奨
○ 工場製品における適宜合理的な方法での品質管理の必要を明記
○ 監理技術者等の専任が不要となった期間における他の専任工事への従事に関する緩和
○ これまでの法令改正、発出済みの通知等に伴う見直し