建築ニュース

新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表

国土交通省及び(一財)日本建築防災協会より、平成12年改正以前に建築された木造住宅に関する「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」が発表されました。

日本建築防災協会(建防協)

木造建築物の建築基準法の規定は、阪神淡路大震災の経験を踏まえた平成12年大改正にて、仕様規定が明確化され、壁の配置や接合部を金物で補強することなどの改正が行われています。
先の平成28年4月の熊本地震においても、建築時期が改正の前か後かで倒壊などの被害の違いが認められたとの報告がなされています。

そのため、国土交通省が、新耐震基準の在来軸組構法、かつ、平成12年以前のものについて、
リフォーム等の機会に改正後の仕様に照らして接合部等の状況を確認することを推奨することとし(効率的な耐震性の把握と耐震化が期待できます)、
建防協に対し、効率的な確認方法の検討を依頼したという経緯だそうです。

国土交通省ホームページにも、紹介されています。→概要版

 

民法(債権法)改正案が衆議院で可決

一昨年の3月に国会に提出され、継続審議のままとなっていた民法改正案が、4月14日に衆議院を通過して参議院を残すだけとなり、いよいよ現実的なものとして近付いてきました。

今回の改正は、社会の変化に対応し(制定された明治時代のままだった)、国民にわかりやすいものとすることを目的とするもので、多くの部分は、現在までに蓄積された判例の規範や一般的理解を踏襲したものと考えられます。 
しかし、定型約款や有価証券など新たな項目の追加もあり、消滅時効や法定利率は内容自体が変わります。

かつ、条文の変更は、非常に多岐にわたります(併せて、関連法令の改正も行われます)。
例えば、建築・建設業界の注目点としては、お馴染みの「瑕疵」の文言が消えて「契約の内容に適合しない」に置き換えられ、さらに、請負の一部条文が削除されて売買に一本化されるなどしており、契約を中心とした日常業務にも大きな影響が生じることは避けられません。

十分な準備が必要となることから、法案が成立してから施行まで3年(最大)の猶予が設けられています。
改正法の解釈についてはまだ議論が定まっていない部分もあり、特に請負や委任(設計)に関しては議論が十分ではないように思いますので、今後も注視していきたいと思います。

なお、施行日までに締結した契約については、原則、現行法が適用されます。

改正民法(新旧対照条文)→ リンク

(参考)法務省・法案提出の理由
「社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

建設業法令遵守ガイドライン改訂

「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」の改訂が発表されました。

国土交通省プレスリリース(平成29年3月29日)

当該ガイドラインは、「建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルール」として平成19年6月に策定されたものです。
前回、平成26年改訂では、労災防止対策とその経費負担等について大幅な項目の追加がありましたが、
今回は、下請代金の支払手段について項目が追加されています。→ 概要

興味深いことろでは、同時に、以前からある他の項目についての
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】【建設業法上違反となる行為事例】
も追加されました。

以下に、追加された分をご紹介します。弁護士目線では、どれも、どこかでお聞きしたような話だと思いましたが、いかがでしょうか。
これを機会に、ガイドラインに掲載された他の事例も、改めて確認してみてください。

  • 元請負人が、「出来るだけ早く」等曖昧な見積期間を設定したり、見積期間を設定せずに、下請負人に見積りを行わせた場合
  • 下請工事に関し、基本契約書を取り交わさない、あるいは契約約款を添付せずに、注文書と請書のみ(又はいずれか一方のみ)で契約を締結した場合
  • 納期が数ヶ月先の契約を締結し、既に契約金額が確定しているにもかかわらず、実際の納入時期における資材価格の下落を踏まえ、下請負人と変更契約を締結することなく、元請負人の一方的な都合により、取り決めた代金を減額した場合
  • 元請負人が下請負人に工事数量の追加を指示したことにより、下請負人が行う工事の工期に不足が生じているにもかかわらず、工期の延長について元請負人が下請負人からの協議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合
  • 元請負人が、下請負人と合意することなく、端数処理と称して、一方的に減額して下請契約を締結した場合
  • 下請負人の見積書に法定福利費が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費を一方的に削除したり、実質的に法定福利費を賄うことができない金額で下請契約を締結した場合
  • 下請負人に対して、発注者提出用に法定福利費を適正に見積もった見積書を作成させ、実際には法定福利費等を削除した見積書に基づき契約を締結した場合
  • 元請負人が下請負人に対して、契約単価を一方的に提示し、下請負人と合意することなく、これにより積算した額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人の都合により、元請負人が発注者と締結した工期をそのまま下請負人との契約工期にも適用させ、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請負人に負担させた場合
  • 元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わない場合

開発許可制度:古民家、空家に関する運用弾力化

市街化調整区域において古民家、空家等を用途変更して有効活用する際、開発許可が容易に得られるよう、開発許可制度運用指針が一部改正されました。

国土交通省プレスリリース(平成28年12月27日)

もともと開発許可制度は、昭和30~40年代の高度経済成長期において、無秩序な市街地化の防止という目的がありましたが、現在はむしろ、既存の集落や空家への対応の足かせになっている実態があるものと思われます。

弾力的に運用すべき例としては、
・観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供の用に供する施設
・既存集落の維持(移住・定住の促進)のために必要な賃貸住宅等
が挙げられています。

建設業法・監理技術者制度運用マニュアルの改正

昨年末、平成28年12月19日に、「監理技術者制度運用マニュアル」が改正されました。

国土交通省プレスリリース

一昨年10月の杭問題に端を発し、実質的に施工携わらない中間請負の存在と施工管理の形骸化が問題となり、そうした者の施工体制から の排除を目的として、昨年10月14日に「一括下請負の禁止」の新たな判断基準(建設工事 における一括下請負の判断基準の明確化)が通知として示されていました。

本改正は、これらの内容を、監理技術者制度にも反映させたものとなっています。

 

<改正の概要>(国土交通省HPより)

○ 元請の監理技術者等と下請の主任技術者の職務の明確化
○ 大規模工事における監理技術者の補佐的な役割を担う技術者の配置の推奨
○ 工場製品における適宜合理的な方法での品質管理の必要を明記
○ 監理技術者等の専任が不要となった期間における他の専任工事への従事に関する緩和
○ これまでの法令改正、発出済みの通知等に伴う見直し