不動産関係法務

不動産事業者が遭遇する法律問題の中でも、特に、用途変更による有効活用、耐震化・建替え、設計や工事に関する問題、漏水や原状回復等をめぐるトラブル、土地の問題(造成・擁壁、地中埋設物、土壌汚染)等について、問題解決、リスク回避、業務支援等を行います。

既存建物の有効利用・耐震化

RC造や鉄骨造の建物が50年以上の寿命を有し、一方で、建物の建替えが容易ではない中で、既存建物を適切に評価し、付加価値を付け、有効利用することは、今後、さらに重要になっていくものと思われます。

既存不適格建築物の耐震化(耐震診断・耐震補強)、老朽化した設備の更新、IT化、用途変更等が行われていますが、建築基準法等の規制法については適用と緩和が分かりづらく、設計者の勉強不足もあって、しばしばトラブルが生じます。

また、既存建築物の工事には、事前の調査では把握できない既存部分のリスクという問題があります。事業においては、既存リスクを契約上どのように関係者間で分配できるかという点がポイントとなります。

不動産事業における設計・工事に関する問題

不動産事業者が賃貸する建物や、過去に売却した建物、造成地において、設計・施工に起因する瑕疵が発覚した場合、不動産事業者は、賃借人や譲受人に対し補修や損害賠償等の法的義務を負うとともに、設計者・施工者らに対し、責任を追及することが必要となります。

また、最高裁平成19年判決以降、分譲マンションにおいて、住民らが、瑕疵担保期間経過後に、設計者・施工者等に対し、不法行為責任に基づき損害賠償請求を行うケースが増えています。
分譲マンションを販売した不動産事業者は、瑕疵について過失があるとはいい難く、不法行為責任を負うケースは多くないと思われますが、施工者等と合わせて訴訟を提起されるなどして、事実上の対応を迫られることがあります。
不動産事業者は、設計や施工に関する詳細な情報を保持していないことが多く、引渡から訴訟提起までの長い間に施工会社が倒産してしまうなどした場合には、対応に苦慮することも多いようです。

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