民法(債権法)改正案が可決(追記:平成29年6月2日公布)

一昨年の3月に国会に提出され、継続審議のままとなっていた民法改正案が、4月14日に衆議院を通過し、5月26日に参議院にて可決成立、6月2日に交付されました。
建築・不動産分野に関連が深い改正の内容については、追ってコラムでご案内する予定です。

改正の目的

今回の改正は、社会の変化に対応し(制定された明治時代のままだった)、国民にわかりやすいものとすることを目的とするものです。

(参考)法務省・法案提出の理由
「社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

改正の概要

改正の多くの部分は、現在までに蓄積された判例の規範や一般的理解を踏襲したものであり、劇的な変更は考え難いといわれています。 

しかし、定型約款や有価証券など新たな項目の追加もあります。
また、消滅時効や法定利率は、内容自体が変わります。

かつ、条文自体の変更は、非常に多岐にわたります(併せて、関連法令の改正も行われます)。

例えば、建築・建設業界の注目点としては、お馴染みの「瑕疵」の文言が消えて「契約の内容に適合しない」に置き換えられれ、さらに、請負の一部条文が削除されて売買に一本化されるなどしています。

つまり、取引のルール自体が大きく変わらないとしても、ルールを表現している言葉や条文の構成は変わる、ということです。
そのため、契約を中心とした日常業務に影響が生じることは、避けられません。

改正民法(法務省HP)新旧対照条文
※法案の一部修正によりリンクが切れていたため、修正しました。

改正法施行の時期と経過措置

十分な準備が必要となることから、公布日から施行まで3年(最大)の猶予が設けられています。
施行日は「一部の規定を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」ですので、最も遅い場合、2020年の6月からとなります。

改正法の解釈についてはまだ議論が定まっていない部分もあり、特に請負や委任(設計)に関しては議論が十分ではないように思いますので、今後も注視していきたいと思います。

なお、施行日までに締結した契約については、原則、現行法が適用されます。