最新情報

東京都内の耐震診断結果の公表(平成30年3月29日)

東京都より、耐震診断促進法に基づく、耐震診断が義務付けられている建築物の耐震診断結果が公表されました。

新聞報道にもありますが、繁華街の著名な商業ビルのいくつかで、危険性が高い、又はある、との判定結果となっており、かつ、耐震化の目途が立っていない状況です。
一方、「危険性が低い」という判定となった建物も多数あります。割合的には、こちらの方が多数です。

コラムを更新しました。→ 東京都耐震診断結果 コラム

 

平成30年 年頭のコラム

本年(平成30年)、当事務所は以下の3つの点(+番外)に注目しています。

① 建築ストック問題(に対応する基準法改正)
② 民法改正
③ 建設労務環境の変化(建設業法的視点)

番外「IT」の活用  → 平成30年 年頭のコラム

これらの問題についても、積極的に依頼者、業界、そして社会全体のお役に立っていきたいと思いますので、本年も宜しくお願い致します。

 

年末年始のお知らせ(12月29日~1月4日)

日頃より当事務所をご愛顧いただき、どうもありがとうございます。

誠に勝手ながら、当事務所は、以下の期間を年末年始のお休みとさせていただきます。

2017年12月29日 (金) ~ 2018年1月4日 (木)

上記期間内にいただきましたご連絡につきましては、
お電話(留守番電話への伝言)、メールとも、1月5日(金)以降にご連絡させていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

制限条項がある工事での追加・増額の可否

契約書の中に、工事費の追加・増額(契約変更)を一切認めない、という条項が入っていた場合はどうなるか?
請負人は、その条項を承知の上で(リスクを見越して)契約を締結したのだから、その条項に拘束されるのが原則です。

しかし、そうはいっても、文言、契約時や追加・変更の経緯より、当該条項の意味・解釈を問題にする余地はあります。
震災復旧・復興工事の紛争事例(和解解決)より、追加・増額の可否を考えます。
建築弁護士・豆蔵ブログ平成29年6月掲載記事をベースに、加筆・修正しました。)

制限条項がある工事での追加・増額の可否

 

二つの大規模火災 アスクルとロンドン集合住宅

平成28年末の糸魚川、本年2月のアスクルの物流倉庫、更に6月のロンドンの集合住宅と、稀に見るような大規模火災の発生が続いています。

火災は、最も身近で恐ろしい災害ですが、建築基準法や消防法令・条例の厳格化が進み、また様々な努力によって、ここ10年では出火件数、焼失面積、人的被害等が3/4程度に減少しています。それだけに、このような大規模火災が続くと、不安を覚えます。

コラムでは、大規模建物内での延焼という点から以下の2つの火災について、原因に関する報告を紹介します。

その1・アスクル物流倉庫

その2・ロンドン集合住宅

民泊新法成立(標準管理規約に関する追記あり)

6月9日、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が成立しました。

観光庁・閣議決定時の法案資料

住宅を活用した宿泊サービスであるという点

「この枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル・旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度として整備するものである」という点が、非常に重要だと思います。

従来、民泊は、旅館業法の簡易宿所営業として位置づけられ、その許可要件を緩和するという取り組みがなされてきました(厚労省)。

しかし、この場合、建築基準法(国交省)、消防法(総務省)等の他の法令については、用途が「旅館・ホテル」となり、原則として、特定建築物、特定防火対象物としての扱いを免れることはできません。
(消防については、住宅の中で民泊使用部分が占める面積の割合に応じて、民泊=旅館・ホテルという取り扱いを行っています。)

その結果、実態として安全上の問題があるかどうかは別として、違法な民泊がこれほどまでに大量に出現し、一方、コンプライアンスを大切にする企業はビジネスチャンスと逃すという、非常に不公平な(悔しい)状態が生じていました。

新法の要件に該当するものは、建築基準関係法令においても「住宅」となるため、規制の対象外におかれるものと思われます。
(但し、風営法に基づく営業停止処分の対象には、旅館と同様に民泊も加えられるようです。)

新法の施行は、予定では、来年1月とのことです。

一定の枠組みの中で合法化されたことで、優れたプレーヤーが正々堂々と多数参入し、健全な競争原理の下で全体が発展することを、強く期待したいと思います。

6月19日追記

住宅宿泊事業法の成立を踏まえた「マンション標準管理規約」の改正(案)について、パブリ ックコメント(意見公募)が開始されています。

管理組合として、民泊を認める場合、禁止する場合それぞれのケースについて、標準管理規約(案)が提示されていますので、ご参考まで。 

国土交通省パブリックコメント告知

新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表

国土交通省及び(一財)日本建築防災協会より、平成12年改正以前に建築された木造住宅に関する「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」が発表されました。

日本建築防災協会(建防協)

木造建築物の建築基準法の規定は、阪神淡路大震災の経験を踏まえた平成12年大改正にて、仕様規定が明確化され、壁の配置や接合部を金物で補強することなどの改正が行われています。
先の平成28年4月の熊本地震においても、建築時期が改正の前か後かで倒壊などの被害の違いが認められたとの報告がなされています。

そのため、国土交通省が、新耐震基準の在来軸組構法、かつ、平成12年以前のものについて、
リフォーム等の機会に改正後の仕様に照らして接合部等の状況を確認することを推奨することとし(効率的な耐震性の把握と耐震化が期待できます)、
建防協に対し、効率的な確認方法の検討を依頼したという経緯だそうです。

国土交通省ホームページにも、紹介されています。→概要版

 

セミナー CMスクール第7講座(4月23日)

日本コンストラクション・マネジメント協会の本年度CMスクール第7講座(4月23日日曜日開催)の午前の部を担当させていただきました。
タイトルは「使えるCMrの法的知識と契約管理術」 、場所は東京・三田の建築会館です。

午前の部3時間は、当職が担当し、「CMrが備えるべき契約に関する基礎知識と、プロジェクトにおける契約責任の捉え方」をテーマに、設計や請負など契約や契約書を広くお話しました。
6人の班で討議して発表するワークショップでは、「司法試験風」の長文の事案問題を設定し、先行して製作を開始した下請の代金の問題、工事途中での解除、追加変更代金の問題の3つのテーマについて、実務と契約書に即して検討していただきました。
どの班も闊達な議論が行われ、こちらの出題意図を突いた、またそれを超える鋭い指摘が相次ぎ、出題者冥利に尽きる充実した発表をいただきました。

午後の部3時間は、以前よりCMの法律問題を扱ってきた大阪の弁護士・釜田佳孝先生が、CMrの法的責任を中心にお話されました。
CMrの法的責任を論じる上では、CMrの業務が非定型的であるがゆえに、特に、CM契約で定められた業務範囲が非常に重要ですが、事案ごとに「標準業務の場合」「オプション業務がある場合」と場合分けをして解説され、業務範囲への強い意識付けがなされたと思います。

ご参加いただいた方々、また関係者の皆様、どうもありがとうございました。

民法(債権法)改正(追記:平成29年6月2日、12月15日)

民法改正案が、平成29年6月2日に交付されました。
2020年4月1日の施行が予定されています。
建築・不動産分野に関連が深い改正の内容については、追ってコラムでご案内する予定です。

改正の目的

今回の改正は、社会の変化に対応し(制定された明治時代のままだった)、国民にわかりやすいものとすることを目的とするものです。

(参考)法務省・法案提出の理由
「社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

改正の概要

改正の多くの部分は、現在までに蓄積された判例の規範や一般的理解を踏襲したものであり、劇的な変更は考え難いといわれています。 

しかし、定型約款や有価証券など新たな項目の追加もあります。
また、消滅時効や法定利率は、内容自体が変わります。

かつ、条文自体の変更は、非常に多岐にわたります(併せて、関連法令の改正も行われます)。

例えば、建築・建設業界の注目点としては、お馴染みの「瑕疵」の文言が消えて「契約の内容に適合しない」に置き換えられれ、さらに、請負の一部条文が削除されて売買に一本化されるなどしています。

つまり、取引のルール自体が大きく変わらないとしても、ルールを表現している言葉や条文の構成は変わる、ということです。
そのため、契約を中心とした日常業務に影響が生じることは、避けられません。

改正民法(法務省HP)新旧対照条文
※法案の一部修正によりリンクが切れていたため、修正しました。

改正法施行の時期と経過措置

十分な準備が必要となることから、公布日から施行まで3年(最大)の猶予が設けられています。
施行日は「一部の規定を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」ですが、平成29年12月15日の閣議決定では、2020年4月1日施行が予定されています。

改正法の解釈についてはまだ議論が定まっていない部分もあり、特に請負や委任(設計)に関しては議論が十分ではないように思いますので、今後も注視していきたいと思います。

なお、施行日までに締結した契約については、原則、現行法が適用されます。

建設業法令遵守ガイドライン改訂

「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」の改訂が発表されました。

国土交通省プレスリリース(平成29年3月29日)

当該ガイドラインは、「建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルール」として平成19年6月に策定されたものです。
前回、平成26年改訂では、労災防止対策とその経費負担等について大幅な項目の追加がありましたが、
今回は、下請代金の支払手段について項目が追加されています。→ 概要

興味深いことろでは、同時に、以前からある他の項目についての
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】【建設業法上違反となる行為事例】
も追加されました。

以下に、追加された分をご紹介します。弁護士目線では、どれも、どこかでお聞きしたような話だと思いましたが、いかがでしょうか。
これを機会に、ガイドラインに掲載された他の事例も、改めて確認してみてください。

  • 元請負人が、「出来るだけ早く」等曖昧な見積期間を設定したり、見積期間を設定せずに、下請負人に見積りを行わせた場合
  • 下請工事に関し、基本契約書を取り交わさない、あるいは契約約款を添付せずに、注文書と請書のみ(又はいずれか一方のみ)で契約を締結した場合
  • 納期が数ヶ月先の契約を締結し、既に契約金額が確定しているにもかかわらず、実際の納入時期における資材価格の下落を踏まえ、下請負人と変更契約を締結することなく、元請負人の一方的な都合により、取り決めた代金を減額した場合
  • 元請負人が下請負人に工事数量の追加を指示したことにより、下請負人が行う工事の工期に不足が生じているにもかかわらず、工期の延長について元請負人が下請負人からの協議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合
  • 元請負人が、下請負人と合意することなく、端数処理と称して、一方的に減額して下請契約を締結した場合
  • 下請負人の見積書に法定福利費が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費を一方的に削除したり、実質的に法定福利費を賄うことができない金額で下請契約を締結した場合
  • 下請負人に対して、発注者提出用に法定福利費を適正に見積もった見積書を作成させ、実際には法定福利費等を削除した見積書に基づき契約を締結した場合
  • 元請負人が下請負人に対して、契約単価を一方的に提示し、下請負人と合意することなく、これにより積算した額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人の都合により、元請負人が発注者と締結した工期をそのまま下請負人との契約工期にも適用させ、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請負人に負担させた場合
  • 元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わない場合