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民法(債権法)改正(追記:平成29年6月2日、12月15日)

民法改正案が、平成29年6月2日に交付されました。
2020年4月1日の施行が予定されています。
建築・不動産分野に関連が深い改正の内容については、追ってコラムでご案内する予定です。

改正の目的

今回の改正は、社会の変化に対応し(制定された明治時代のままだった)、国民にわかりやすいものとすることを目的とするものです。

(参考)法務省・法案提出の理由
「社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

改正の概要

改正の多くの部分は、現在までに蓄積された判例の規範や一般的理解を踏襲したものであり、劇的な変更は考え難いといわれています。 

しかし、定型約款や有価証券など新たな項目の追加もあります。
また、消滅時効や法定利率は、内容自体が変わります。

かつ、条文自体の変更は、非常に多岐にわたります(併せて、関連法令の改正も行われます)。

例えば、建築・建設業界の注目点としては、お馴染みの「瑕疵」の文言が消えて「契約の内容に適合しない」に置き換えられれ、さらに、請負の一部条文が削除されて売買に一本化されるなどしています。

つまり、取引のルール自体が大きく変わらないとしても、ルールを表現している言葉や条文の構成は変わる、ということです。
そのため、契約を中心とした日常業務に影響が生じることは、避けられません。

改正民法(法務省HP)新旧対照条文
※法案の一部修正によりリンクが切れていたため、修正しました。

改正法施行の時期と経過措置

十分な準備が必要となることから、公布日から施行まで3年(最大)の猶予が設けられています。
施行日は「一部の規定を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」ですが、平成29年12月15日の閣議決定では、2020年4月1日施行が予定されています。

改正法の解釈についてはまだ議論が定まっていない部分もあり、特に請負や委任(設計)に関しては議論が十分ではないように思いますので、今後も注視していきたいと思います。

なお、施行日までに締結した契約については、原則、現行法が適用されます。

建設業法令遵守ガイドライン改訂

「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」の改訂が発表されました。

国土交通省プレスリリース(平成29年3月29日)

当該ガイドラインは、「建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルール」として平成19年6月に策定されたものです。
前回、平成26年改訂では、労災防止対策とその経費負担等について大幅な項目の追加がありましたが、
今回は、下請代金の支払手段について項目が追加されています。→ 概要

興味深いことろでは、同時に、以前からある他の項目についての
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】【建設業法上違反となる行為事例】
も追加されました。

以下に、追加された分をご紹介します。弁護士目線では、どれも、どこかでお聞きしたような話だと思いましたが、いかがでしょうか。
これを機会に、ガイドラインに掲載された他の事例も、改めて確認してみてください。

  • 元請負人が、「出来るだけ早く」等曖昧な見積期間を設定したり、見積期間を設定せずに、下請負人に見積りを行わせた場合
  • 下請工事に関し、基本契約書を取り交わさない、あるいは契約約款を添付せずに、注文書と請書のみ(又はいずれか一方のみ)で契約を締結した場合
  • 納期が数ヶ月先の契約を締結し、既に契約金額が確定しているにもかかわらず、実際の納入時期における資材価格の下落を踏まえ、下請負人と変更契約を締結することなく、元請負人の一方的な都合により、取り決めた代金を減額した場合
  • 元請負人が下請負人に工事数量の追加を指示したことにより、下請負人が行う工事の工期に不足が生じているにもかかわらず、工期の延長について元請負人が下請負人からの協議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合
  • 元請負人が、下請負人と合意することなく、端数処理と称して、一方的に減額して下請契約を締結した場合
  • 下請負人の見積書に法定福利費が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費を一方的に削除したり、実質的に法定福利費を賄うことができない金額で下請契約を締結した場合
  • 下請負人に対して、発注者提出用に法定福利費を適正に見積もった見積書を作成させ、実際には法定福利費等を削除した見積書に基づき契約を締結した場合
  • 元請負人が下請負人に対して、契約単価を一方的に提示し、下請負人と合意することなく、これにより積算した額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
  • 元請負人の都合により、元請負人が発注者と締結した工期をそのまま下請負人との契約工期にも適用させ、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請負人に負担させた場合
  • 元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わない場合

Q&A 法律相談全般に関すること

建築・建設の法律相談の全般に関するQ&Aをまとめました。今後も、随時、追加していきます。

→ 法律相談全般Q&A

法律相談の申込み・方法に関するご質問

相談には、何を持参すればよいですか。
遠方ですが、電話やスカイプ、メールでの相談はできますか。…など

相談の内容に関する一般的なご質問

弁護士に相談すべき内容かどうかわからないのですが。
別の弁護士に相談したことがある案件を、相談してもいいですか。…など

事件依頼に関する一般的なご質問

既に訴訟を起こされており、すぐに代理人を依頼したいのですが。
事件の依頼を前提とせずに、話だけでも聞けますか。
相談までに、建物等の調査は必要ですか。    …など

相談料・弁護士費用に関するご質問

初回の法律相談で、相談料はどのように準備したらよいですか。
事件の代理人を依頼する場合、着手金はいつまでに支払えばよいですか。…など

広がりつつある耐震診断結果の公表について その2

公共性の高い大規模既存不適格建築物の耐震診断結果の公表により、地方都市や温泉などの観光地では、施設の閉館など具体的な影響が出始めています。

一方、結果の公表は、大都市圏ではまだほとんど行われていません。また、そもそも、本制度の対象はかなり限られています。

この点について、コラムを追加しました。→ コラムその2

広がりつつある耐震診断結果の公表について その1

公共性の高い大規模な既存不適格建築物について、耐震診断を行った結果が、昨年(平成28年)11月頃から続々と公表されてきています。

耐震改修促進法の平成25年改正は、耐震診断と報告、公表の義務付けを一つの目玉としていました。その結果は、どうだったのでしょうか。

この点について、コラムを追加しました。→ コラムその1

講演 日本コンストラクション・マネジメント協会九州支部

2月24日、日本CM(コンストラクション・マネジメント)協会九州支部にて、建設関係の契約の基本や昨今の公共工事の契約の多様化などについて、短時間ですが講演させていただきました。

また、その後、同じくCM協会の廣江弁護士とともに、参加者の皆様方と、グループごとに色々なお話をさせていただきました。
九州ではCMにあまり馴染みがなく、CMを入れる意味や報酬の定め方等について疑問をお持ちとのことでした。

懇親会では、支部の方々に福岡・博多の町の成り立ちや歴史について教えていただき、非常に興味深く思いました。

関係者の皆様方、どうもありがとうございました。

既存住宅状況調査技術者制度の創設について

2月3日、「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」及び「既存住宅状況調査方法基準」が公布・施行されました。

国交省プレスリリース

いわゆる既存住宅インスペクションのバージョンアップです。この点について、コラムを追加しました。→コラム

 

開発許可制度:古民家、空家に関する運用弾力化

市街化調整区域において古民家、空家等を用途変更して有効活用する際、開発許可が容易に得られるよう、開発許可制度運用指針が一部改正されました。

国土交通省プレスリリース(平成28年12月27日)

もともと開発許可制度は、昭和30~40年代の高度経済成長期において、無秩序な市街地化の防止という目的がありましたが、現在はむしろ、既存の集落や空家への対応の足かせになっている実態があるものと思われます。

弾力的に運用すべき例としては、
・観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供の用に供する施設
・既存集落の維持(移住・定住の促進)のために必要な賃貸住宅等
が挙げられています。

確認取消と予測可能性

確認済証の取得は、設計業務において、また、事業全体においても、最も重要な要素の一つですが、昨今では、確認が事後的に取り消されるという事態は少なくありません。

この点に関する問題意識を、コラムに追加しました。

建設業法・監理技術者制度運用マニュアルの改正

昨年末、平成28年12月19日に、「監理技術者制度運用マニュアル」が改正されました。

国土交通省プレスリリース

一昨年10月の杭問題に端を発し、実質的に施工携わらない中間請負の存在と施工管理の形骸化が問題となり、そうした者の施工体制から の排除を目的として、昨年10月14日に「一括下請負の禁止」の新たな判断基準(建設工事 における一括下請負の判断基準の明確化)が通知として示されていました。

本改正は、これらの内容を、監理技術者制度にも反映させたものとなっています。

 

<改正の概要>(国土交通省HPより)

○ 元請の監理技術者等と下請の主任技術者の職務の明確化
○ 大規模工事における監理技術者の補佐的な役割を担う技術者の配置の推奨
○ 工場製品における適宜合理的な方法での品質管理の必要を明記
○ 監理技術者等の専任が不要となった期間における他の専任工事への従事に関する緩和
○ これまでの法令改正、発出済みの通知等に伴う見直し